家族がいる。
友だちもいる。
仕事では、毎日誰かと話している。
それでも、どこにも気を抜けない人がいる。
家では機嫌を損ねないように。
職場では評価を落とさないように。
仲間の前では、期待された自分でいるように。
人とのつながりはある。
でも、弱った自分を置ける場所がない。
つながりがあっても、気を抜けるとは限らない
今日、門下生たちにこんな話を送った。
「家族ももはや政治的つながりが増えているし、セキュアベース(安全基地)がどこにも無いひとが居るんですよね。我々プロの役割のひとつ、じゃないですかね。一時的なセキュアベースになってあげてください。」
家族の中にも、立場がある。
誰の意見に合わせるか。
何を言えば不利になるか。
誰の顔を立てるか。
そんなことを考え続けているなら、家に帰っても休めないことがある。
安心して「できない」と言える関わり
そこで、我々プロができることがある。
うまく説明できなくても、急かさない。
こちらと違う意見でも、態度を冷たくしない。
まだ話したくないことを、無理に聞き出さない。
相手が「いいえ」と言っても、関係を脅かさない。
「君の前では、強がらなくていい」
そう感じてもらえる関わりを、ひとつつくる。
私自身、これまで数万人規模の人たちにとって、一時的な安全基地として機能してきたのではないかと思っている。
大切なのは「一時的」であること
その役割を考えるとき、大切なのは「一時的」という言葉だ。
話を聞ける時間。
引き受けられること。
ほかの人の力が必要なこと。
そこを曖昧にせず、約束した範囲で、落ち着いて関わる。
安心して寄りかかれる時間があり、落ち着いたら、自分の暮らしへ戻っていける。
自分で考え、選び、ほかの人ともつながっていける。
その動きを支えたい。
「私だけが君を分かっている」
そう言って、相手の世界を狭くしていないか。
安全基地を引き受ける側も、そこは何度でも確かめたい。
正しい助言を探す前に、
相手がいま、安心して困れているかを見る。
君の前で、その人は「分からない」「できない」「助けて」と言えるだろうか。
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