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  1. unohiromi
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子どもの感情を、子どもだけの仕事にしない。

友達との遊びで負けて、子どもが泣き出した。

「それくらいで泣かないの」

そう言いたくなることはある。次の予定もあるし、周りの目も気になる。大人の側にも、余裕のない日がある。

けれど、泣きやませることと、悔しさの扱い方を一緒に覚えることは、少し違う。

涙が止まったあと、その子は何を覚えたのだろう。「悔しいときには、こうすればいい」なのか。それとも、「悔しい気持ちは、ここでは出してはいけない」なのか。

見た目が静かになったことだけでは、わからない。

家庭での関わりを、教室まで追いかけた研究

2026年9月10日、『Frontiers in Psychology』に、子どもの感情の扱い方を家庭と教室の両方から見た研究が掲載された。

対象は、中国東部の都市部にある公立小学校6校の、6〜8歳の子どもと保護者289組。12か月の間隔を置いて、二度調べている。

最初に、親が子どもの感情をどう受け止める傾向にあるかを質問紙で確認した。教室での子どもの様子は、訓練された観察者が二つの時点で評価している。

親の「感情コーチング」の傾向が高いほど、1年後、教室で感情を状況に合わせて扱う力が高い傾向があった。感情コーチングとは、感情に気づき、その気持ちを認め、言葉にしたり対処したりするのを助ける関わりだ。

一方、感情を軽く扱ったり退けたりする傾向は、1年後の感情調整の低さと、情緒的不安定さの高さに関連していた。分析では、最初の時点の感情調整なども考慮されている。

さらに、教師の感情的な支援が高い教室では、家庭でのコーチングの好ましい関連が強く、感情を退ける家庭傾向と好ましくない結果との関連は、一部弱まっていた。

親の接し方だけで、子どもの将来が決まるわけではない

この結果を読んで、「忙しくて気持ちを聞けなかった日がある」と、自分を責める保護者もいるかもしれない。

ただ、この研究は、一度の声かけで子どもの将来が決まると示したものではない。親の方針を無作為に変えた実験でもなく、関連がそのまま原因と結果だとは確定できない。

教師の支援は、1年後の子どもの評価と同じ時期に測られている。教師の支援が先にあって子どもが変わった、と時間の順序まで確認できたわけではない。一地域の結果を、すべての家庭や学校へそのまま当てはめることもできない。

その限界を踏まえて、私が受け取りたいのは、支える場所を家庭だけに限定しなくてよい、という可能性だ。

家庭で覚えた言葉を、教室でも使ってみる。学校で経験した助けの求め方を、家でも試してみる。そうしたつながりを、周りの大人がつくれないだろうか。

感情に名前をつけるとき、大人が正解を決めない

ここからは研究そのものの結果ではなく、私が1UNO塾や家庭教育へ引きつけて考える提案だ。

子どもが混乱しているとき、すぐに理由の説明を求めなくてもいい。まず、安全にいられる場所と、少し落ち着く時間をつくる。

言葉を聞けそうになったら、「いま、どんな気持ち?」と尋ねてみる。

答えにくそうなら、「悔しい? 悲しい? それとも違う感じ?」と、候補をそっと置く。「あなたは怒っているんでしょう」と、大人が決めてしまわない。

「わからない」も答えにしておく。指さしや絵で伝えてもいいし、あとで話してもいい。

感情の名前を覚える時間が、気持ちを正しく答えなければならない試験にならないようにしたい。

気持ちは受け止める。行動は一緒に選ぶ

次に、「何があったの?」と、出来事を聞く。

「そう感じた理由は何だろう」と一緒に考えてもいい。ただ、泣きながら説明を組み立てられないときに、「なぜ?」「どうして?」を重ねなくていい。

たとえば、負けたことだけでなく、負けたあとに笑われたのがつらかったのかもしれない。話を聞くことで、必要な対応も変わる。

そして、「この場で、安全にできることは何かな」と次の行動を考える。

少し離れる。大人と一緒に伝える。もう一度やりたいか、今日はやめたいかを選ぶ。

もし相手を叩こうとしているなら、まず止める。「悔しかったね。でも、叩くことは止めるよ」と伝える。気持ちを認めることと、どんな行動も許すことは同じではない。

感情が完全に消えるまで待たなくても、安全な行動を一緒に探すことはできる。

家と教室で、助けを求める言葉をつなぐ

家庭と教室の連携は、「家でちゃんと教えてください」「学校で何とかしてください」と責任を渡し合うことでは終わらせたくない。

たとえば、「少し離れたい」と言えたら休む場所を選べる。「手伝って」と言えたら、大人が何に困っているかを聞く。子どもが使える短い言葉と、その言葉に大人がどう応じるかを、必要な範囲で共有する。

講師間でも、困ったときの対応が毎回大きく変わらないよう、助けになった関わりを確かめ合う。

もちろん、本人や家庭の事情をむやみに広める必要はない。共有する目的は、その子について大人が詳しくなることではなく、その子が次に助けを求めやすくなることだ。

大人も、言い直していい

大人がいつも落ち着いて応じられるわけではない。

急いでいて強く言ってしまったなら、あとから「さっきは泣くなと言ったけれど、何がつらかったのか聞いていなかったね」と戻ってみる。

私が意識進化として考えたいのは、子どもに感情を管理させることだけではない。大人の側も、自分の焦りや苛立ちに気づき、関わりを選び直せることだ。

その子が感情を扱いにくそうなとき、「この子には力がない」と決める前に、この場で使える助けがあるかを見直す。

家庭にも、教室にも、一緒に次を考えられる人がいる。その経験を重ねられる場を、私たちはつくっていきたい。

今日のセルフトーク

感情をなくすのではない。感情を持ったまま、次の行動を選ぶ。

君のそばにいる子どもは、気持ちをうまく説明できないときにも、助けを求められるだろうか。


原論文
Zhao N, Yao Z. “Parental meta-emotion philosophy and children’s classroom emotional regulation: the moderating role of teacher–student interaction quality.” Frontiers in Psychology(2026年9月10日公開)。
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